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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第38章 戦友(ライバル)と後輩(ルーキー)



「じゃあな、ゆーし!」
ふあ、と欠伸をこぼしながら、向日に手を挙げる。

「ちゃんと寝るんだぞ〜」
「ジローに言われるとなんや、腹立つな」
「なんでだCー!
 侑士がずっと眠そうだったから、俺も寝そうだったCー!」
「それはいつもんことやろ」
だな、と芥川を見る向日。

「気をつけろよー。路上で寝るなよー。
 置き引きにあうぞー。」
「わこうた、わこうた」
ちゃんと帰るよて、と2人に手を振り、1人、歩き出す。

(眠い...けど、マコト、会いたい...
電話だけ。せめて、声聞こかな...
電話越しのマコトん声、癒されるんよなぁ
逆に電話した方が寝そうや
でも、また一緒寝たいな...)

抱き枕になってほしい、とボーッとしたままバスに乗り込む。

あまりの眠さに、空いていた窓際の席に座って、車窓に凭れ掛かる。

(寝よ)

目を閉じ、バスに揺られるとストン、と意識が落ちて行った。



ブレザーのポケットで震えた携帯に、ビクッ、とする。
時間にすると数十分のことだったが、少し、頭がスッキリした。

メッセージを確認しようと携帯を取り出すと、真珠から新着が届いていた。

-もうおうち着いたかな?-

前方の電光掲示板に表示されたバス停名に、2つ前、と返事を打つ。

-体調どう?-

心配あらへんよ、と返し、と今どこ?と真珠の居場所を聞く。

(まだ大学おるんやったら、ウチ、連れてかえろかな)

甘えたい、と待っていた返事を開くと、なんでやねん、と小さく声が漏れた。


-今、青学の桃城くんと越前くんといるの-

無表情でピースする越前と満面の笑みの桃城の写真が送られてきて、目が覚めた。

-どういうことやの?-
-ひったくりに遭いまして
けど大丈夫!
桃城くんが全部取り返してくれて、私も荷物も全部無事だからっ!-

ひったくり、と真珠のメッセージを読み返し、今どこ?と返す。

泉深から近いファミレスに、青学から近くはないやろ、と座席を立つ。

-すぐ向かう。待っとって-

(ちゅうか、ひったくりて。
 怪我してへんやろなぁ)

たまにそうやって抜けたところがあるから心配やねん、と小さくため息をついて、自宅最寄りのバス停より手前で降りた。

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