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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第37章 君との時間がいつもの自分 ❦



ただいまー、と聞こえた恵里奈の声に、おかえりなさーい、と真珠が返す。

「お邪魔してます」
「お邪魔されとりますー」

鞄を置いた恵里奈は、めっちゃお腹すいたー!とキッチンに乗り込んできた。

「小田巻蒸しっ
 うわ、なつかし!」
天ぷらもあるー!とテンションが高い。

「もう、はよ結婚しぃ
 そんで、うち養ってやぁ」
「なんでやねんな。
 姉ちゃんやろ、俺より先に自立してや」
「もう、介護でええよ。扶養して」
「むちゃ言いはるわ」

つまむ?と半端に残って一口サイズになったおにぎりを差し出すと、あーん、と開けられた恵里奈の口に投げ込む。

「んっ!...」
「マコトも食う?」

欲しいでーす、と今度は真珠の口元に、ん、と一口サイズを差し出す。

「何、その格差っ!
 私は放り込んで、マコには差し出すんかいっ!
 詰まらして死んだらどないするんっ!?」
「彼女と姉ちゃんが同じ扱いなわけ無いやろ
 それに、そんなんで死ぬタマちゃうよ、自分」
「わからへんやんっ」

うっ、と首を押さえる恵里奈。

「あかんっ苦しいっ」
「ああ、食わへんの?
 二人で食うなら、結構な量なってまうなぁ
 マコト、残してええよ」
「親友の迫真の演技と恋人の華麗すぎるスルーでお腹いっぱいになりそう」

冷たい弟やわぁ、と食卓についた恵里奈。

「働かざるもん、飯食うな」
「働いてきたもんっ!
 ガッツリ労働してきたわっ」

きょうだいのやりとりを聞きながら、こっちは重いから、これ持ってって。と侑士が差し出すカトラリーとコップを運ぶ。


「あれ?恵里奈ってなんのバイトしてるんだっけ?」
「今、私、スキマインターンしてん」
「『スキマインターン』?」
「学生と企業をマッチングするアプリでやりたい業種とか専攻を登録したら、それに合わせて、人材募集の依頼がくんねん。
 時間とか合っててやってみよかな、いうのにエントリーして、マッチングしたら1時間単位から数日のアルバイトとして現場に入るんよ。
 ちなみに今は、細胞分析の委託受けとる企業でデータ入力の補助しとるよ」
「医大生しながらアルバイトして、えらいねぇ」
「マコトもバイト、しよるやん」
「内容のレベルが違いすぎるよ」

マコはもう就活最前線やもんね、と恵里奈は弟と親友が支度した食卓に、いの一番に座った。

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