She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第31章 策略
昼休み。
昼食を食べ終わった頃、午前中、真珠に送ったメッセージに返事があった。
-今いい?-
そのメッセージに、ええよ、と返す。
真珠からの着信に、ワンコールが鳴りきる前に、どないした?と出る。
-「どないした?」って、ゆうが掛けてって言ったんでしょう?-
「ああ、そうやったね」
-今じゃない方がよかった?-
「いや、いつでもええよ」
昼に電話を欲しい、とメッセージを送っていた。
まだ人も多いカフェテリアで、片付いたランチが残る席に居座って電話を続ける。
-お昼食べた?-
「食うたよ。そっちは?」
-どうしようかなぁと悩み中。
コンビニのサンドイッチか学食の定食か-
「今日のメニュー、なんなん?」
-えっとねぇ、唐揚げかチキン南蛮-
「どっちも変わらへんやん」
-揚げ物かぁ、と思いまして-
「なんや、他にないんか?」
-うーん、あ、お蕎麦。お蕎麦にする。-
「ええやん。俺も好きや」
-冷たいのにしよっ-
「今日、迎え行くよて」
-え?あ、図書館来る?-
「着いたらすぐ連絡するよて。
大人しゅう待っとき」
-お仕事してますっ。
午後、寝ちゃわないようにね-
「気をつけるわ。ほな、夜に」
-はーい-
電話を切ると、視線を感じて顔を上げる。
「「「「「「夫婦 かっ/じゃないですか」」」」」」
同じ席にいたテニス部の面子の視線に、どこがや、と返す。
まず、と向日が言う。
「『どないした?』はいっ」
長太郎、と投げられた鳳。
「ええっと『今日、何時に帰るかな、と思って』...?
日吉っ」
俺?と言って、侑士を見つめる日吉。
「『ああそうやったね』...『遅くなるなら...迎えに行こうか?』...?宍戸さん」
繋がらねぇよ、と言いながら宍戸は悩む。
「『いや』...いつでもいい、いつでもいい...
あっ『会いたくない?』?...『いつでもええよ』!
んじゃあ、跡部っ」
「いやっ先にジロー!」
指名を変えたのは向日。
「えー?連想ゲーム?難しすぎるC〜」
「ゆーしが『そないなことあらへん』って返しそうなマコトちゃんの言葉を考えろっ」
「難しすぎるC〜」
んー、と悩み、あ!と言う。
「『私のこと好きじゃない?』」
「そうじゃねぇだろ」
口を挟んだのは跡部。
脚を組み替えてしばらく侑士を見ると、そうだな、と口を開いた。
