She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第27章 嵐の前触れ
(ホンマに、飽きん人や)
真珠が付箋を気に入った理由が「自分に似ているから」。
眠い時の表情に似ている、と言われ、よぉ見とるなぁ、と感心した。
ちょっと腹が立ったのは、「うちに来る?」と誘われた付箋の犬が、どこか勝ち誇ったような表情に見えたこと。
別に、オスでもメスでも無いのだろうが、自分に似ていると言われたせいか、勝手にオスだと決めつけ、それが真珠の傍にいるのかと思うと、少し、妬いた。
そういえば、と、真珠に声を掛ける。
「マコトは、ヤキモチとか、妬いたりせぇへんの?」
「唐突ですね」
んー、と少し考えた。
「いいな、素敵だな、とかはあるけど...
ヤキモチ、って...ない、かも?」
うん、と考えながら言う。
「『異性と話すの禁止!』とか『アドレスの異性は全部消して!』とかは思わないかなぁ。
ゆうは、ある?」
「あんで」
即答に、意外、と驚く。
「言うたやん。
姉ちゃんやったり、勘助はんやったり、セナやったり。
昔とか、俺の知らんマコトを知っとるんはええな、て思うて」
「それも一つの嫉妬、なのかな?」
「『羨望』なんか『嫉妬』なんかは、自分でもよぉわからんけどな」
「何が違うんだろう?
その人だったりモノに『成り代わりたい』って気持ちがあるなら嫉妬で、『自分もそんな風にありたい』って思うなら羨望かな?」
「なるほどな」
難しいね、と考え込む頭を撫でる。
「ゆうは、どう思う?」
せやねぇ、と言葉を紡ぐ。
「『ええな』思う気持ちが、『痛い』んなら嫉妬やし、『心地良い』んなら、羨望とか憧れに近いんちゃうか」
「『痛い』か『心地良いか』か」
黙る真珠に、どないしたん?と声を掛ける。
「今、私が...留学生ちゃんに感じてるのが...羨望なのか嫉妬なのか、考えてる」
うーん、と難しそうな表情。
「『ゆうの高校生活見れていいな』
『一緒の時間がたくさんあるのいいな』は、どっちだと思う?」
少しだけツキツキもするの、と胸の辺りを擦った。
「『ズルイ』とまでは思わないけど、『成り代わりたい』か『そんな風にありたい』かで言えば前者のような...」
やっぱりちょっと嫉妬なのかな?と少し笑う真珠。
「結構、簡単なことでヤキモチって焼いちゃうんだね」
自分でびっくり、と言った真珠を、腕の中に閉じ込めた。
「っゆう、」
驚いた真珠の肩に額を置く。
