She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第27章 嵐の前触れ
学級活動の時間。
各クラスの海外交流委員会は別教室に集められていた。
「今年も、氷高祭の日程に合わせてドイツの姉妹校の学生さんが訪日されます。
我々、海外交流委員を中心に、互いが良い体験ができるように努めましょう」
もうそんな時期か、と配られた資料を眺める侑士。
「基本的に、16歳の学生を1年、17歳の学生を2年、18歳の学生を3年、それ以上の学生を生徒会が担当することになります」
委員長が読み上げる資料を捲る。
「資料の最後に、来校される学生の名前、年齢の一覧を乗せています。
一番右の欄に、先生方と執行委員で振り分けた担当表がありますので、自身が案内する学生の名前や年齢などを確認してください」
留学生の学年別、姓名順の表に自分のクラスを見つける。
(Therese、テレーゼ...)
その隣の名前に、担当表の全体を再度確認し、手を挙げる。
「1-理G、なにか?」
すんません、と立ち上がって聞く。
「この割り振り、各クラスの委員、主が女ん子んとこは女ん子が割り当てられて、男んとこは男子生徒が割り当てられとるよぉに見えるんですけど」
そのとおりです、と委員会の顧問教員が頷いた。
「1-理Gの主、自分なんですけど、」
これ、とリストを指す。
「俺の勘違いや無かったら、女ん子かと...」
テレーゼかテレサか...とリストの名前を読み上げる。
資料を確認する委員長。
それね、と顧問が立ち上がった。
「人数とクラス数の関係で、一部、例外的に割り振ってます。
どのクラスも男女各1名ずつ委員がいるので、資料の中で主の業務としている内容を副が執り行って構いません。
そこは、委員同士で擦り合わせてください」
わかりました、と席に着く。
「配布した資料にも書いていますが、委員は、主、副それぞれ自身のプロフィールを作成し、2人分を主が顧問あてにメール提出してください。
写真は学生証のものを使いますが、他の写真の希望がある場合は、プロフィール提出の際にデータを添付し、件名にその旨、記載してください。
学内共有の海外交流委員会のフォルダにフォーマットを置いていますので、データコピーして活用してください」
金曜日までに顧問あてにメール提出してくだい、と言う連絡を受け、教室を出た。