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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第25章 キミノコエ


人が集まるチャペルの入口。

運営係の学生が、今から一年生の発表です、と案内をしている。

「まだ席、ありますっ!?」
「待って、恵里奈っ早いっ」
こんなに脚早かったっけ?と引きずられるようにして息を切らしている真珠。

「後方になりますが、空いてますよ」
どうぞ、と開けられたチャペルの扉。

「綺麗、」
ステンドグラスからの光が差し込む身廊が伸びる内部。
「マコ」
恵里奈に呼ばれ、端の空いていた席にかける。

「-只今より、高等部1年の発表を始めます。
 それでは、文Aクラス、準備を始めてください。-」
アナウンスの声に、前方に座る白いブレザーの背中の学生の一部が立ち上がる。

席に置かれていた小冊子を開く。

「え、ゆうちゃんのクラス、知らんわ」
「理Gだよっ」
恵里奈、しっかり!と発表順のリストを見る。

「だいぶ先やね」
「順番は、ランダムみたい。
 理Gは、1.2.3...10番目。
 へぇ、1年生だけで16クラスあるんだ」
氷帝、学生多いもんねぇ、と発表順リストの先の曲名と歌詞を確認する。

「1年の課題曲は『花は咲く』。
 ゆうのクラスの自由曲は『足跡』...リ〇グリのかな?」
「『誰かに指を差されて〜』ってやつだね」

並んだ学生たちのあとから、2人の生徒が登壇し、全員でお辞儀をする。
一人の生徒がピアノにつくと、残ったもうひとりが指揮棒を構えた。

 ✜

時は少し戻り、始業チャイムが鳴ったばかりの氷帝学園高等部の音楽室。
1年理Gクラスでバスに割り当てられた男子生徒が集められていた。

音楽教師が鳴らすピアノに合わせ、一人ひとりが歌う。

「忍足君」
並ぶ生徒の一番端で、小さくイヤイヤをする侑士と、どこかホッとした表情の他の生徒。
「代打で」
「いややぁ!」
叫んだ侑士に、頼む!どんまい、と声を掛ける他の生徒。

「全パート、ソロは歌ってもらいます。
 課題曲のソロ、仲西君の代打、お願いしますね」
「仲西ぃ!」
なんで休むんやボケェ!と空に叫ぶ。

「その声が出るなら大丈夫でしょう」
「あかん、センセ、今んとで喉潰れたわ」
「喉飴、あげるから」

飴ちゃんて、と渡された飴玉を握る。

「俺、忍足の大声、初めて聞いたわ」
「選ばれなくてよかった」
「「「「忍足、ファイト!」」」」
他人事ぉ、と握り込んだ拳の中で飴が割れた。
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