She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第25章 キミノコエ
✜
土曜日。
図書館のバイトも休みで大学の講義もない。
最近は、こんな日は侑士と会っていたので、土曜登校の侑士がいない休日に、今日はどうしよう?と手持ち無沙汰に部屋で本を読んでいたら、携帯が鳴った。
-恵里奈-の表示に、はいはーい、と軽い返事で出る。
-マコ?今、どこおってん?-
「え?家の自分の部屋...」
-なんか予定ある?-
「無いよぉ」
どうしたの?と聞くと、すぐに支度して氷帝学園前に来いと言う。
「氷帝?なに?ゆうになんかあった?」
−なんかどころちゃう!-
ええから最速で!と言う気迫に押され、わかった、と頷く。
(なんだろ?)
ゆうは学校にいるはずだけど、と着替えと化粧を済ませ、自宅を出た。
バスで氷帝学園前につくと、門の前に恵里奈がいた。
待たせてごめんね、と歩み寄ると、マコっ!と肩を掴まれた。
「な、なにっ?」
「マコ、ゆうちゃんにどこまでオッケーにしとるん?」
はい?と意味不明な質問に首を傾げる。
「女ん子と二人きりの登下校はオッケーなん?
手を繋ぐのは、アカンよね?
まさか、キスまでしなければいいとか、気持ちが本気じゃないなら別に、とか言わへんよねっ!?」
鬼気迫る様子の恵里奈に、落ち着こうか?と促す。
「まさか、合コンもオッケーしとるん!?」
「ご、『合コン』っ!?」
突然のフレーズに、なんで、と頭がパニックに陥る。
「合コン、って
男の子と女の子の人数合わせて、お店とかでっていうあの合コン?」
「他んある?」
ゆうが、合コン...?と困惑する真珠。
「私、見てもうてん」
そういった恵里奈に、なにを?と固唾を呑む。
「ゆうちゃんの手帳に、『合コン』書かれとってん」
「ゆうの、手帳...に」
合コン、と俯く。
「ほんでつけてきたら、なしてか学校について、もうパニックやって」
学校で合コン...?と何の表記もない立派な氷帝学園高等部の校門を見上げる。
「どないする?
乗り込むんやったら、付き合うでっ」
「のっ乗り込むって」
そんな、と、言いつつ、ゆうが女の子と...と思うと痛む胸。
あの、とそこに声を掛けてきたのは、真白なブレザーに侑士と同じ柄布のプリーツスカートの女の子だった。