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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第21章 たぶん、友達



青凪と夜道を並んで歩く。

「真珠と京都、遊び来ぃや」
「いつかな」

「あっいた!」

後方からの声に、立ち止まって振り返る二人。

「セナ、どこ行ってたの?」
探した、と向かってくる真珠に、ごめんやで、と青凪が手を振る。
「ちょお、侑士に聞きたいことあって、追っかけとった」
「聞きたいこと?」

見上げられた侑士は、ちら、と青凪に目線をやってから、テニスん事や、と微笑んだ。

「ダンク受けてみたい言うからなぁ」
「ダンクってバスケの?」
「そうそう。
 高い位置から、玉落とすみたいに打つショットのことや」 
でけへんもんね?と笑顔を向ける侑士の脚を蹴ろうとした青凪の脚は空振った。

「こいつ、嫌味なんやでっ
 わざと低ぅ打った球もきっちり返してきよるし、ブランコで懸垂し始めてんっ!」

腹立つやろぉ、と真珠側に擦り寄る青凪。

「ブランコで、懸垂...?」
はて?と侑士を見上げる真珠。

「座面に立って、上の鎖、吊り下げとるとこ捕まって」
こうやって、と腕を上げる侑士。
「えっ!?届くのっ!?」
「届くで。
 錆とるし、太いし、やりづろぉてしゃあなかった」
「そりゃそうだよ...
 ていうか、上に届くのがびっくり」

こんくらいやもん、と侑士が上げた手に、無理だよ普通、と手を伸ばしてみる真珠。
「やっぱ、真珠は小ぃこいな」
「ゆうが大きいのっ」
「平均値やろ?
 樺地とか、鳳とかどないすんねん?」
「おっきいよねっ!
 10cmくれないかなっ?」
こんなもんか?と真珠の頭上10cm、自身の鼻先辺りに手を翳す侑士。
「ちゅー、しやすそうやな」
ニコ、と笑った笑顔に、やっぱり低すぎる?と侑士の袖を摘む。
「ええやん。
 ヒール履いても抜かれへんし」
30cmとか余程んこと無いと抜けへんよ?とフラットパンプスを履いている真珠の足元を見る。

「今、いくつの履いとる?」
「えっと、これは23かな」
「基本23?」
「甲高だから、硬い素材のは24cm選ぶ時もある」
「足、小こいね」
「だから、ゆうが大きいのっ」
「ヒール、細いん履く?」
「ピンヒールは履かないかな。
 履いてもウェッジヒールかチャンキーヒールかな」

二人の会話を聞いていた青凪。

(さらっと靴のサイズ確認しよった)

侮れん、と真珠と掌を合わせ、指、細いねぇ、と言っている侑士の横顔に瞠目した。

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