She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第21章 たぶん、友達
ただいま、という真珠のあとに、邪魔すんでー!と大声の青凪。
「あれ?セナちゃん来たの?」
おかえり、と出迎えた顔に、侑士は会釈した。
「随分大きくなったのね」
いや、と言った侑士の前にずいっ!と青凪が入り込んで背伸びした。
「ユリちゃん、俺が青凪や」
「そうよねぇ?」
あらぁ?と頬に手を当てて首を傾げている彼女に、はじめまして、と侑士は礼儀正しく頭を下げた。
「夜分にすんません。
忍足 侑士、言います」
「真珠の母で、青凪の叔母の佑里子です」
こんばんは、と返す真珠の母のおっとりさに多少、驚く。
「ユリちゃん、侑士のこと知ってん?」
勝手知ったるなんとやら。ラケバ、そこ置いときや、と侑士に指示して上がり込む青凪。
「いいえ?私が忘れてなければ初めましてよぉ。
お会いしてたかしら?」
どう?と侑士に聞く真珠の母。
「はじめまして、ですね」
「そうよねぇ。
こんな美丈夫さん、忘れるわけ無いわぁ」
背が高いわねぇ、と見上げる顔が真珠とよく似ている。
「セナちゃんのお友達?」
「ちゃうで」
即答した青凪に、真珠が続けた。
「私の恋人さん」
「真珠の?」
「忍足 侑士くん。
お付き合いしてもらってるの」
まあ!と手を合わせた真珠の母。
「けったいな方ね」
「ちょっと!どういう意味よっ!」
「だってあなたみたいな世間知らずのふわっふわちゃん、まともな男性に相手してもらえるとは思えないわぁ」
「あなたに言われたくないっ!」
ムッとした真珠を他所に、ねえ、と侑士を見上げる佑里子。
「忍足さん、ご職業は?」
「氷帝学園の高等生なのっ!」
「高校の先生?
なんの教科をご担当?体育?」
「ユリちゃん、侑士、俺と同じ高校生やで」
人の話を聞いて!と言う真珠を無視し、高校生、とつぶやいた真珠の母。
「ダブったの?」
「普通に16歳!セナと同じ歳なのっ!」
もういい加減にして!と真珠は、行こ、と侑士の手を引いた。
行っちゃうのー?と淋しげな佑里子に、おもろい人やなぁ、と侑士は真珠について、お邪魔します、と玄関を上がった。
佑里子はん?と顔を出した人に、青凪は、よっ!と軽く手を挙げた。
おう、と返した真珠の父は侑士をちら、と見て言った。
「縮んだか?」
「こいつがでかいんじゃっ!」
こんばんは、と挨拶した侑士に、真珠の父は、どうも、と返した。
