She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第20章 新しい出会い
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よくよく青凪の話を聞いたところ、小学校の時、2人は試合したことがあったそうだ。
「ほんで、大阪の四天宝寺にも忍足言う選手おって、『忍足』とか関西でそうおる名前ちゃうし、下の名前まで覚えてへんくて...」
「間違えて、けんやくん?に宣戦布告してしまったと」
別人やったんやぁ、とため息をついた青凪に真珠は苦笑いした。
「いとこ君と似てる?」
「どぉやろ?」
見る?と侑士が差し出した携帯を覗き込む。
そこには、恵里奈が両腕で侑士と砥粉色の髪をした男の子を引き寄せている写真。
「うーん、なんとも...」
ちょっと眼鏡外して?と真珠に言われたが、恥ずかしさにいやや、と首を振る侑士。
「あん時、謙也、溶連菌なっとったからな」
「そら、キョトンとされるわ」
人違いやった!と頭を掻きむしる青凪に、なあ、と侑士が声を掛けた。
「自分、いくつやねん?」
何年生や、と聞いた侑士に、青凪はヒクリ、と頬を引きつらせた。
「中学テニス詳しいみたいやけど、まだ小学校やろ?
ジュニア言うたって、低学年やんな?」
ゆう、と袖を引かれ、なんや?と真珠に顔を向ける。
「セナ、今年、高校生。
ゆうと同い年」
同い年、と侑士は青凪を頭の先から足先まで見る。
「ちっこ!」
マコトと変わらへんやん!と驚いた侑士に、青凪は声を張り上げた。
「うっさいわ!この背高眼鏡野郎!
なんやねん!ひょっと出てきて、ひょっと勝って、ひょっとおらんくなりよって!
俺がどんだけあんさん、探したかっ」
「男にストーカーされた無いわ」
女ん子もストーカーはいやけど、と侑士は険しい顔をする。
「誰がストーカーじゃっ」
ビッ!と手にしたラケットを侑士に向けた青凪。
「リベンジやっ!」
鼻先に向けられたフレームを指先で押し返す侑士。
「勘弁してや。
いろいろ疲れてんねん」
「好都合や、叩きのめしたる。
彼女ん前で恥かきや」
座っている侑士とそう目線が変わらない青凪が、ふふん、と踏ん反り返った。
(腹立つ)
ちびっ子が、とラケットを手に取る侑士。
「1ゲームだけやで」
「恨みっこなしや」
はいはい、と仕方なさそうに、真珠にバッグを預ける侑士。
「ハンデは?」
そんなんいらんよ、と言う青凪を見下ろす。
「チビやのに?」
「うっさい!のっぽ野郎!」
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