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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第20章 新しい出会い


「200人から、両方のレギュラーに選ばれる確率って...」
「ダブルスは二組として4/200。
 シングルスが3人やから、3/200。
 レギュラーに選ばれる可能性は7/200と見ても3.5%とかやろ?
 両方に入ろう思たら、それ以下やね」

青凪はコートに散らばるボールを拾う。

「名前、教えてや」
「忍足 侑士くん」
「おしたりっ!?」
青凪の大声に驚く。

「いや、待てよ。同姓同名...?」
「セナ、ゆうを知ってるの?」
うーん、と考える青凪。

「そいつ、和歌山ちゃうの?」
「大阪にいたって...あ、でも、お父さんの仕事の都合で転校ばっかりしてたって言ってた。
 一瞬、ドイツにいたとか...」

なるほど、と青凪は、どこか心地悪そうにする。

「そいつ知っとる」
え?と目を瞬かせる真珠。

「ジュニアの関西大会で1戦したことあるんや。
 こてんぱんにされてなぁ。
 公式戦で、初めて負けた奴やねん」

あんま見らん苗字やったから覚えてる、と記憶を睨む。

「ゆうのこと、知ってるの?」
「同姓同名の別人や無いなら。
 どないな字、書く?」
「『忍』びに『足』で『忍足』。
 ゆうしは、ゆうが人偏に有限無限の『侑』と、武士道の『士』で『侑士』」 
「『侑士』、たぶん、そうや」

東京おるんや、と地面を睨む青凪。 

「なぁ、マコトちゃん」

なに?と見た青凪の表情に、ドキリ、とする。

「そいつと試合、できへんかな?」
「テニスの?」

ああ、と真っ直ぐに見る青凪。

「そいつに勝たれへんと、俺...」

唇を堅く結んだ青凪。

「試合、できるかわからないけど、聞いてみようか?」
頼むわ、と頷いた。
「けど、そないなこと、頼める仲なん?」
今更やけど、と眉尻が下がる青凪。

「じ、つは...お付き合いを、してもらって、まして」
「へぇ。
 けど、そいつ、俺と同い年やで?」
「うん。だから人物に間違いはないと思うんだけど...
 セナと同じ歳で、おしたり ゆうしだし。
 色々引っ越しばかりしてって聞いたから、和歌山にいてもおかしくないと思うんだけど...」

マコトちゃんの彼氏、俺と同い年かぁ、と呟いた青凪の声は、強く吹いた風に舞い上がって行った。

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