She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第18章 はじめてのあさ
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(えーっ、と)
不機嫌そうな顔で、おはよ、とベッドの上であぐらをかいている侑士の隣に、小さくなって座る。
「ごめん。ベッド、使っちゃって...」
そう言った真珠に、連れてきたん俺やから、と言って、ふあ、と欠伸を溢す。
「まあ、彼氏としては、もうちょい危機感持ってほしいわな」
ねむ、と裸眼の目を擦った侑士は、再び布団に寝転ぶ。
「ゆう?」
「もうちょい寝かせてや」
昨日あんま寝れてへんのよ、とめくれた布団を引き寄せて包まると、真珠の膝を枕にした。
「こん前ん時の。ジロー、どつくの忘れとった」
「いまさら?」
癖っ毛の髪を撫でると、再び侑士の口から欠伸が漏れた。
せや、と横向きに寝ていた体を上に向け、眠そうな目で見上げる。
「家族、連絡せんとよかったん?」
無断外泊ちゃうん?と布団に置かれていた真珠の手を掴む。
「この齢でわざわざ連絡しないよ」
それに、恵里奈の所ってわかってると思う、と空いた真珠の手が侑士の髪を撫でる。
「家、送ったるから、もうちょいおりや」
そう言うと、すぅ、と二度寝してしまった。
起こすのは忍びないので、自身の携帯を手に取る。
両親から連絡はなく、SNSのチェックだけした。
膝の上の寝顔を眺める。
(思春期のくせに、肌荒れひとつ無いなんて)
神よ、不平等ではないか、と少しだけ日に焼けている頬をそっと撫でる。
(やっぱり、それなりに運動してたら、新陳代謝が違うのかな?)
恵里奈も肌綺麗だから遺伝かも、と肌理細かく揃っている肌を撫で回していた手を掴まれる。
「寝かせぇ言うたやろ」
こしょばい、と苦笑いで見上げる侑士に、すいません、と謝る。
「えらい美人さんが寝てるなぁって」
「襲ってもええよ?」
「ふふ、いいんだ」
真珠の膝のうえで伸びをした侑士は、腹筋の力だけで起き上がった。
「眠気飛んでもうたわ」
んーっ、と背を伸ばし、少し乱れた髪をかき上げる侑士。
「ゆうは、男の子なのに色っぽいねぇ」
は?と目を丸めて固まる。
「私にもそのくらい色気があるといいのに」
んん?と目を細める。
「やっぱり、体、引き締めるべき?」
そう言って、ぷにっぷにだもんな、と侑士の半分もなさそうな二の腕を曝け出した。
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