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毒と薬は使いよう

第1章 序章 薬の天才






「全然驚いているようには見えないけどね。
いつもいつもご苦労さまです。」


氷月は、私のバイタルチェックや体の傷などの確認をうける。


「うん!バイタルよし、傷もない。今日の稽古も完璧だったね。」


はいお水、といいながら、水筒を氷月にわたす。
ありがとうございます、と愛想笑いを浮かべながらうけとり、水を口に含んだあと、自嘲気味になる。


「僕なんか、大したことないですよ。父に早く追いつかなくては。」


「すごいね。わたしなんか、薬いじりばかりしてるから、父上から医術も勉強しろって怒られてる。無視してるけど。」


てへっ、、と舌を出しながらあっけらかんと言う。
解剖も楽しいんだけど、やっぱ薬がいちばん面白い。それに、古代の医術は全て漢方やら薬やらを頼りにしてたんだからー。


「葵がいてくれてよかったです。
ただ、体のことは勉強しないとだめですよ。貴方は光明院家の次女なんですから。ちゃんとしてくださいよ。」


「はいはい。わかってますよー。」


いつも、お小言をいう。第2のお父さんみたい。


「私は貴方のことを心配して言っています。
私は貴方のことが好きなのですから。」


道具を片付けていると、当然頭を撫でられる。
氷月の気持ち、好きってきっと友達として好きなんだろう。


「わたしも氷月くんのこと好きだよ。」


背伸びをして一生懸命頭を撫でかえした。
今は、私の方が身長が高いのだ。



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