第2章 アイドルと幼馴染の間
突然目の前に現れた大ちゃんを追い出し
平穏を取り戻した部屋の中は
嵐が去った後みたいに怖いくらい静かだ…
こうなるから嫌なんだ…
私は一人がいいのに
一人が気楽なのに
大ちゃんは私のまとった分厚い殻を
バリバリ遠慮なく剥がし
見られたく無い本心を見つけ出す…
あの頃の私が
寂しくてしかたなかったことに
大ちゃんだけが気付いたように…
でも…結局は…
寂しい…悲しい…辛い…
隠していた気持ちを
全部言わせておいて
誰かが側にいる温かさを
教えておいて
ある日突然私の前からいなくなる
あの笑顔を
手の温かさを
初めから知らなければ
無駄に傷つくこともなかったのに、
だから私はもう絶対に
あの憎らしい手も
あの憎たらしい笑顔も
受け入れることはない
私の大切な平凡な日々は
私自身が絶対に死守してやるんだ