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好きに理由はいりません

第7章 たった一人の大切な人


家の中に入り

ソファーに座ってからも

私の手を離さない大ちゃんに


「なんでここがわかったの…?

もう会わないって言ったよね…?」


そう言って下を向くと


「家のことなら康二から聞いた…

それに今の言葉

本心じゃないよね…?

まこちゃんはさ…

ほんとに俺に会いたくなかった?」


そう言って大ちゃんは私の前に座り

私の目をまっすぐに見つめる…



ちゃんと言わなくちゃいけない

そうわかってるのに

大ちゃんの目に見つめられると

上手く嘘がつけなくて


何も言えず

目を逸らしてしまう…


そんな私に大ちゃんはため息をつき


「気付いてるまこちゃん…?

今俺が怒ってること…


まこちゃん…俺に嘘ついたよね…?

ゆきちゃんに会ったこと

なんで言わなかったの?

俺って…そんなに頼りない?」



そんな予想外の大ちゃんの言葉に

頭が真っ白になって



「ごめん…なさい…」


そうぽつりと小さく呟くと


「謝っても許さないよ…?

俺から離れようとしたことも…

俺の手を勝手に離したことも…

絶対に許さないからね…?」


そんな言葉と一緒に

繋いだままの手が引き寄せられ


"ごめんなさい"

そうもう一度いいかけた私の唇を

大ちゃんの唇がふさいだ…
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