第7章 たった一人の大切な人
それからの俺は
暇があればまこちゃんの家に行き
一人で泣いてないか
寂しがってないか
お腹空かせてないか
まこちゃんの状態をチェックする日々を
送っている
連絡しすぎて
"また康二くんか笑"
なんて笑われるけど
それでも俺を見てまこちゃんが笑ってくれたら
それだけでいい
やっぱり泣いた顔より
笑った顔の方がずっとかわいいんやから
この笑顔が自分だけのもんやったら
ええのに…
なんて思うんは欲張りかな…?
でも今だけは
俺に向けられるこの笑顔を
独り占めしたい…
さっくんじゃなきゃ
あかんのは分かってるけど
今だけ…
ほんの少しの間だけ…
その目に映りたい
そう願うんは
悪いことじゃないよね…?