第7章 たった一人の大切な人
康二side
まこちゃんの引越しの日
荷物を運び終え
なんとか片付いた家の中
ソファーに座り二人でビールを飲んでたら
不意にまこちゃんは
ぽろぽろと涙を溢し子供みたいに
泣きじゃくる…
「大丈夫…?」
そう聞いた俺に
「もうこれでお隣さんでも
なくなっちゃった……」
なんてあんまり苦しそうに言うから
泣いてるまこちゃんを見たくなくて
腕の中に閉じ込めた
俺の腕の中で小さな嗚咽を漏らすまこちゃんに
「ずっと泣きたいの我慢してたんやろ?
この際全部吐き出したらええよ笑
そしたらすっきりして前に進めるから
今日はいっぱい泣いて
明日は笑うんやで笑?」
そう言うと
「ありがとう…
康二くんがいてくれて良かった…」
そんなまこちゃんの言葉に
こっちまで泣きそうになってしまう…
この子を笑顔に出来んのは
さっくんだけや…
そうわかってるけど
なぜかほっとけないこの子を
俺が笑顔にしてあげたい
そう思ってしまうんは
今俺の中に芽生えつつある
絶対に抱いちゃいけない感情の
せいなんやろな…