第1章 幼馴染ってやつ
こんな時間に誰だ…?
なんて時計が指す22時という時間に
顔をしかめながらインターホンのボタンを押すと
「すいません遅い時間に…
隣に越して来たのでご挨拶に…」
そう言って帽子を目深に被り
下を向く男の人の姿が画面に映り込む
なんだかちょっと気持ち悪いけど
挨拶だけならそう思い
「はい、少しお待ちください」
そう言って玄関に向かい遠慮気味に扉を開くと
その扉を強引に思い切りよく開き
いきなり目の前に伸びてきた手に
私の体はふわりと包み込まれて
「会いたかったよ…まこちゃん」
そう言って私の名前を呼ぶ声は
遠い昔大ちゃんが
"まこちゃん“
そう私の名前を呼ぶ声と
ぴたりと重なった…