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好きに理由はいりません

第7章 たった一人の大切な人


その日私と康二くんは

くだらない話をたくさんして

たくさんたくさん笑った…


こんなふうに笑うのは

大ちゃんと別れてから初めてかもしれない…


帰りの車の中

ぼんやりと景色を眺めていると

突然車が止まり

「どうしたんですか?」

そう言って振り向いた

私の頭に康二くんの手が触れて

体がビクリと跳ねる…



「だから…頭には…」



そう言って手を退けようとすると

そんな私の手を康二くんが掴んで



「最後まで何で別れたか言わへんつもりなん…?」


そう言って私をまっすぐに見つめる…


そんなまっすぐな目を避けて


「言いません…」


なんて頑なに下を向く私に


「じゃあさ…

言わなくてもいいから

俺と友達になろ?

まこちゃんが辛い時楽しい時

一緒に悲しんだり笑ったり出来る友達…

それやったらええよね?笑」


なんて康二くんは

私の頭を優しく撫でる…


「なんで…そんなに

優しくしてくれるんですか…?」


そう聞いた私に康二くんは笑って



「なんかまこちゃんてほっとかれへんのよね笑?

見てて危なっかしいというか…

だからなんやろ…親心みたいなもんかな…?」


そう言うとまた車を走らせた…
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