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好きに理由はいりません

第6章 優しい嘘


佐久間side

まこちゃんに別れを告げられても

どんなに気分がどん底でも


朝は必ずやってくるし…


どこにも行きたく無いし

誰にも会いたく無いけど


仕事は待ってくれない



仕方なく顔を洗い服を着替え

迎えの車に乗り込んだものの

気分は最悪なままで


こんな時まこちゃんの笑顔が見れたら

元気になれるのに



なんて思ってしまう…


楽屋に入り

静かに椅子に座っていると



いつのまにか側に来ていた康二に

手を掴み楽屋の外に連れ出される



「何…どうしたの…?」

そう不機嫌に聞いた俺に康二は


「昨日家に帰れたんでしょ…?

まこちゃんと仲直り出来たん…?」


なんて…

傷口に塩を塗り込むような言葉を

言っておいて


「別れたよ…

アイドルと付き合うのは嫌だって言われた…」


そうポツリと俺が呟くと

康二は泣きそうな顔をする…


「何で康二が泣きそうなの…?

泣きたいのは俺の方でしょ笑?」



「でも…

俺が会いに行った日

まこちゃん泣いてたよ…?

"大ちゃんに会いたい"って」



そんな訳のわからない康二の言葉に

何も言えない俺に


「さっくんは…

そんな簡単にまこちゃんのこと諦めるの…?

アイドルとか関係ないよ?

大切なら大切ってちゃんと言葉で伝えてあげな

伝わらへんよ…

さっくん何も分かってへん…」


そう言って

俺を残して楽屋に戻って行った…
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