第6章 優しい嘘
家の中に入り
ソファーに私を座らせると
大ちゃんは下を向く私の手を
握りしめてゆっくりと話し始める…
会いに来れなかったこと
連絡が出来なかったことを謝ると
次に…
週刊誌に撮られた写真について
話し始めた
「あの子とは前にテレビ番組で知り合って
ゲームとかアニメとか趣味が一緒で
たまにイベントとかに一緒に行ってたんだけど
でもまこちゃんと付き合うようになって
二人きりで会うのはもう辞めようって
伝えるために会った日に急にキスを…
そこを写真に撮られちゃって
ほんとはすぐにまこちゃんに話すべきだったのに
嫌われるのが怖くて
言えずにいたら写真が出て…」
そう言うと大ちゃんは
大きな目からポロポロと涙をこぼす…
「きっと…
その子大ちゃんのことが好きだったんだね…」
そう言って
下を向く大ちゃんの髪をふわふわと撫でる
「でも俺は…」
「わかってるよ…?
大ちゃんがそんなに器用じゃないって笑
きっと好きなものが一緒で
話するのが楽しかったんだよね?
でもきっと彼女は期待したんだよ
大ちゃんの笑顔が
自分だけのものだったらって……」
「でも…
俺が好きなのはまこちゃんだけだよ?」
「うん…わかってる。
でもきっとこれからもこういうことが
あるんだろうなって…
大ちゃんは優しいから笑
ごめんね…
私にはきっと耐えられないと思う…
だから…」
「まこちゃん…?」
「ここで終わりにしよう…大ちゃん?」