第6章 優しい嘘
康二くんが家に来てから一週間が経って
ぐちゃぐちゃだった感情も
少し落ち着きを取り戻した…
家で洗濯物を干しながら
ぼんやりと雲一つ無い空を眺めていると
ピンポーンと
インターホンの音がした
期待したりなんかしない…
でも扉の向こうにいるのが
大ちゃんならいいのに
なんて毎回願ってしまう…
「はい…」
下を向いたまま
インターホン越しにそう返事をすると
「まこちゃん…」
そう私の名前を呼ぶ声がして
玄関に走り扉を開いた
そこにいたのは
ずっとずっと会いたくて仕方なかった
大ちゃんなのに
顔を見た瞬間
何も言え無くなって
ただ黙って下を向く私を
大ちゃんは自分の家に連れて行った…