第6章 優しい嘘
大ちゃんが私の前からいなくなって
1カ月が経ち
私の日常は平穏を取り戻し
何ごともなかったかのように
日々が過ぎていく
ただ
見ないようにしていても
テレビにふと映る大ちゃんの姿に
時々胸がぎゅっと締め付けられる
それはどうしようにもないことだと
自分にいい聞かせた…
次の恋に突き進めば
忘れられるかもしれない
そう思って慣れない
合コンに参加したりしてみても
どうしようもないほど
私の頭は大ちゃんでいっぱいで
誰と話していても
どこに行っても
大ちゃんの笑顔を思い出してしまう…
そのせいで…
泣きそうになるたび唇をかみしめる
新しい癖ができた…
誰かを好きになっても
辛いだけなら
こんなふうに
裏切られるくらいなら
もう二度と恋なんてしない