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好きに理由はいりません

第5章 アイドルってやつ


少しずつだけど

大ちゃんと過ごす日々に慣れて

仕事が忙しくて会えない日が続いても


声を聞けば大ちゃんを近くに感じられて

寂しくはあっても不安になることは

ない幸せな日々を過ごしていた…


今まで誰かをこんなに

好きになったことがなくて


何に変えても失いたくないほど

大切なものに出会ったことがなかった



だから私は今まで知らなかったんだ


自分の中にこんなに真っ黒な

感情があるってことを…



大ちゃんの側には綺麗な人

かわいい人なんて

たくさんたくさん

そりゃもう星の数ほどいて


そんなことちゃんと理解して

少々のことでやきもちなんてやかない

そう思っていたのに



でも仕事帰り

家の近所で女の人と楽しそうに歩く

大ちゃんを見かけて



どこで見たのかはわからないけど

見覚えのあるとても綺麗な人だった…



きっと友達だ…


そう自分にいい聞かせても


胸の中にぽたりぽたりと

墨汁を落としように黒いシミが出来ていくのが

わかった…
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