第5章 アイドルってやつ
康二くんが帰った後
私の肩に頭を乗せ気持ち良さそうに
寝息を立てる大ちゃんに
「大ちゃん…寝るならお布団で寝ようよ…」
そう言って髪を撫でると
「ん…じゃあ…布団まで連れてって…?」
なんて大ちゃんは甘えた声を出す
そんなかわいい大ちゃんに
「もう…仕方ないなぁ…笑」
なんて文句を言いながら
大ちゃんを必死に引きずりベッドに
転がした瞬間
大ちゃんに手を引かれて
私の体は勢いよくベッドの上に倒れ込む…
「あれ…?」
なんて首を傾げる私に
rまこちゃん…
康二と話す時すごーくかわいい顔で
笑ってた…人見知りなのに…
俺には最初
なかなか笑ってくれなかったのに…」
と…
大ちゃんはなにやら不機嫌なご様子で
唇を尖らせていて
「そんなことは…無いと思うよ…?
ほら…康二くんが人懐っこくて
喋りやすいせいかも…?」
そう言って笑うと
「まこちゃんは俺のだからね?
誰にも渡さないし…
俺以外見ちゃだめ…」
なんてお酒のせいで赤くなったほっぺたと
少し潤んだ目で言うから…
「大ちゃんって…酔っ払うとすごーく
かわいくなるね…笑」
そう言ってをぎゅーっと抱きしめると
大ちゃんは嬉しそうに笑って
私の腕の中で
またすやすやと子供みたいに
眠りに落ちていく…
この時の私は
こんな日々がずっと続けばいい…
そう願っていた
好きなひとが
アイドルとかそんなことは関係なく
ただずっと大ちゃんの側で
大ちゃんの笑顔を見ていたい
ただただそれだけを
願っていた…