第5章 アイドルってやつ
「適当に買って来たけど、
まこちゃん嫌いな食べ物とかない?」
なんて私を隣に座らせ
ピザとビールを差し出す向井くんに
「あ…りがとございます」
そう言ってビールを受け取ろうとした瞬間
私の手からビールを取り上げて
「まこちゃんは康二の前でお酒飲んじゃだめ、
キス魔になるから…」
なんて不機嫌に言うと
取り上げたビールをぐびぐびと勢いよく
大ちゃんは自分の喉に流し込む…
「なんでさっくんが飲むのよ笑?
それはまこちゃんにあげたやつ…」
「だからまこちゃんは
俺の前以外ではお酒禁止なんだって…」
なんて二人の言い争いを無視して
黙々とピザを食べていると
それに気付いた向井くんは
「なんでそっちは黙ってピザ食べてんのよ笑
めっちゃオモロいやんまこちゃん笑」
そう言って新しいビールを手渡してくれる…
「ありがとう…向井…くん?」
「康二でええよ笑?」
「じゃあ康二くんで…
康二くんはほんとにテレビで見たまんま
ですね…」
私より年上なのに
人懐っこくてかわいい康二くんと
そんな話していると
私の肩に大ちゃんが寄りかかってきて
「あーあ、だから言ったのに…
お酒弱いのに一気飲みするから笑」
そう言って康二くんは
真っ赤になった大ちゃんのほっぺたを
ぷにぷにと突いて楽しそうに笑った…