第1章 幼馴染ってやつ
大ちゃんがいない日々
それがつらかったのは
大ちゃんがいなくなってからの一年間だ
ずっと側にいて
いつも私に向けられていた
あったかい笑顔が無くなって
友達もいなかった私は
本当のひとりぼっちになってしまった
でもそんな日々にも少しづつ慣れて
大ちゃんが側にいないことが
日常になっていった
でもあの時
共働きであまり家にいなかった両親が
離婚した日
その時だけは
大ちゃんの笑顔と
私の頭をよしよしと撫でる
男の人にしては少し華奢なあの手が
妙に恋しかったのを覚えている…
母と二人で暮らすようになってからは
母に金銭的な迷惑をかけたくなくて
進学も諦めた…
母には
"勉強なんて大嫌いだから、
あと何年も勉強するなんてありえないよ笑"
そう言って笑って
私は高校を卒業すると同時に
就職をし早々と家を出て
一人暮らしを始めた