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好きに理由はいりません

第4章 好きだと言う勇気


慌てて体を起こそうとすると


「ほんとにそうしたいなら…

ちゃんと俺の目見て言って?」


そう言って大ちゃんは私の手を押さえる…


「…大ちゃん…私…は…」


言葉がうまく出てこないし…



「嫌なら拒んで…?」



そう言って近付く唇を

どうして私は拒否出来ないんだろう?


理由なんてわかってる…



大ちゃんの声

大ちゃんの体温

大ちゃんの匂い



その全部がどうしようもなく

私をダメにする…



ゆっくりと離れた大ちゃんの

唇からため息が漏れる


「拒めないくせに…

なんでなかったことにしたいの…?」


そんな大ちゃんのいじわるな言葉に

自分が情けなくて涙が溢れてくる…


苦しくて吐き出すように


「だって…怖いんだもん…


大ちゃん以外見えなくなるのも…

大ちゃんに嫌われるのも…

あの時みたいに大ちゃんがまた

私の前からいなくなっちゃうのも…」




そう言って大人気なく

泣き出した私に


大ちゃんは


「怖がりだなぁ、まこちゃんは…笑」


なんて笑って


「そんなに怖がらなくても

俺はもう絶対にまこちゃんの前から

いなくなったりしないよ…?


だからまこちゃんは

勇気をだして一歩踏み出して

ただただ俺を好きでいて…?

それだけでいいから」


そう言って

昔と同じように私の頭をよしよしとなでる…



「本当にいいの…

大ちゃんを好きになって…?」


鼻を啜りながらそう聞いた私に



「うん笑

だって昔からまこちゃんは

俺のこと大好きでしょ?」



なんて大ちゃんはケラケラと

嬉しそうに笑った…
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