第4章 好きだと言う勇気
驚いて引っ込めた私の手を大ちゃんは掴んで
「この手貸して?」
そう言って
自分のほっぺたに触れさせると
その手に気持ち良さそうに顔をくっつけて
そしてさらに
その手をずらして首筋に触れさせると
「冷たい…でもすごく気持ちいいな笑」
なんてけらけら笑う…
でも
大ちゃんの肌に触れている私は
逆に体温が急上昇して
頬が熱を帯びてくる
そんな私を見て大ちゃんは
「なんかまこちゃん顔赤いよ…?
風邪うつしちゃった…?」
なんて慌てて私の頬に手を伸ばす
頬に触れた熱い手に
なんだか火傷してしまいそうで
「病人は…大ちゃん方でしょ?
ほら少し水分取らなきゃ…」
そう言って大ちゃんの手から離れ
ペットボトルを手渡すと
「起き上がれないから
まこちゃんが口移しで飲まして?」
なんてとんでもないことを
言い出す…汗
「何言ってるの…ほら早く起きて?」
そう言って腕を引っ張ってみても
「飲ましてくれないならいらない」
なんて口を尖らせて
目を閉じてしまう…
だから覚悟を決めて
これは
ただの看病の一貫で
キスとは違う…
そう自分にいい聞かせながら
ペットボトルの蓋を開け
口に少しだけポカリを含んで
ゆっくりと大ちゃんの顔に近付けた…