第4章 好きだと言う勇気
逃げると決めたからには
全力で!!
そう決めて朝の出勤時間も
毎日変えて大ちゃんの顔を見なくていいように
早起きも頑張った。
夜だって仕事が終われば
急いで家に帰り
周りに誰もいないことを確認して
家の中に逃げ込んだ
インターホン越しに映る大ちゃんの顔に
扉を開けたくなるのも我慢した
居留守を使うのは
すごく心が痛むけど
それでも我慢しよう
そう思ったのに
でも今日は
インターホンに映った大ちゃんの顔が
なんだかいつもと違って辛そうで
聞こえてくる声も
掠れている気がして
我慢できずに扉を開けてしまったんだ…