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好きに理由はいりません

第2章 アイドルと幼馴染の間


エレベーターの扉が開いて


泣いているのを知られたくなくて

下を向いたまま玄関の前まで歩き鍵を開けて


「さっきは…ありがとう…」

そう言って繋いだままの手を離すと


なぜか

大ちゃんは自分の家には帰らず

私の家に入って行って


「大ちゃん…何してるの?」


そう言って慌てて後を追いかけると


部屋の中で立ち止まっていた大ちゃんの背中に

勢いよくぶつかる…



次の瞬間


「ごめんね…」


そんな言葉と一緒に振り返った大ちゃんに

抱きしめられて


「なんで大ちゃんが謝るの…?」


そう抱きしめられた腕の中で

問いかけると



「イライラして嫌な態度とって

今まこちゃんを泣かせちゃってること…

ほんとにごめんね…」



そう言って大ちゃんは


抱きしめていた体を離し

真っ直ぐに私の顔を覗きこむ…



なんだかそんな風に見つめられると

いい歳して子供みたいに泣いている

自分が恥ずかしくなってきて



「これは…違うよ?

大ちゃんのせい…とかじゃなくて…

なんかあの…

目にゴミが入って目が痛くて…」


なんて慌てて顔を逸らすと



「あはは…まこちゃんは昔から

嘘つきだよね…笑」



そう言って笑いながら

大ちゃんはよしよしと私の頭を撫でる…


そんな大ちゃんの言葉に

なんだか余計に恥ずかしくなって



「そうやって…

いつまでも子供扱いしないで…」



そう言って

頭に置かれた手をどけようとすると



その手を大ちゃんが掴んで



「その言葉…取り消さないでよ…?

もう大人だって…

まこちゃんが言ったんだからね笑?」



そんな言葉と一緒にフニャリと笑うと



大ちゃんはちゅっと音を立てて

私のほっぺたに唇をくっつけた…汗
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