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好きに理由はいりません

第2章 アイドルと幼馴染の間


「まこちゃんはさ…

ほんとに俺のこと好き?

キスだってしたことないし…

その先だっていつもまた今度って

断ってばっかりいてさ…」


そう言って唇をわかりやすく尖らす恋人の姿に


かわいいとか…

愛しいとか…


そんな感情を抱かず

ドン引きしてる私は

ひどいやつなんだろうか…?



そんなことを眉間に皺を寄せ考えこんでいると



松山くんはそれをチャンスとばかりに


私の顔に顔を近づけてくる…



だからなんでそうなるんだ…?



たとえ恋人だろうと



したくないときはしたくない

そう主張するのは


悪いことなんだろうか…?



だっていま私の頭はパンク寸前で

松山くんが入る隙間は空いてないわけで




「ごめん…あ…あの…やめて…?」



そう言って顔を逸らしてみても

今日の松山くんは簡単には止まらない…


横を向く私の頬に

無駄な抵抗とばかりに

松山くんの唇が触れて



ゾワゾワと背中に悪寒が走る…



ゆっくりと目の前に近づいてくる唇に


自分の唇を噛み締め

ぎゅっと目を閉じると




「まーこーとー笑?」





そう私の名前を明るく呼ぶ声がして


松山くんはやっと私から離れ

声のする方に顔を向ける



力が抜けてへなへなと

その場に座り込んだ

私の体は


目の前に伸びて来た手に

地面から引き上げられ



なんだかふわふわ甘い香りが

私の体を包み込んだ…
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