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好きに理由はいりません

第2章 アイドルと幼馴染の間


昨日に引き続き

しつこく目の前に現れる過去の亡霊に

「ぎゃーーー!!」

と豪快に叫び声をあげ


その場から逃げ出した私は



朝の光景が何度も目の前に浮かび


仕事をしていても

気が気じゃなく案の定ミスを連発し



朝から怒られ過ぎて

退社する頃にはもう体力も思考力も

ガス欠状態に陥っていた…



今日も名ばかりの彼氏と

ご飯を食べる予定だったけど

そんな余力は残ってなくて



早々に断りの連絡をしようと

会社から外に出て鞄に手を伸ばすと


そんな私を待ち構えいたかのように

松山くんが少し離れた場所から

こちらに手を振る姿が見える…涙


"はあぁぁぁ…"


心の中でとてつもなくでかいため息を

吐き出しながらも


顔には精一杯の笑顔をはりつけ

近づいてくる松山くんに


「待ち合わせより早いね…?」

そう声をかけると


「予定より早く終わったから

驚かそうと思って待ってました笑」



なんてこっちの気もしらずに

へらへらと笑う…



「あのね…今日…は」


そう言いかけた言葉は



「外は寒いね笑」


そう言って私の頬に触れる冷たい手に

遮られる…


ごつごつとした大きな松山くんの手…


どうして今私はこの手を

違う誰かの手と比べとしまってるんだろう?


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