第2章 防衛隊選別試験
「ははーん。」
何かを察知したようなキコルちゃんの声が聞こえ、やっと副隊長から目を離すことができ、彼女の方を向く。
中に入ってきてから別れたのにいつの間にか近くにいた。
「美影あんた、もしかして…。」
ニヤニヤしながら私を見てくる。
コソコソ話をするように私の耳に口を近付け手で隠す。
「副隊長とそういう関係?」
「ちっ!違うよっ!!………私の片想い……。」
それにしては見つめ合ってたけど?って聞かれたので、私も何故目を逸らさないんだろうって思ってたけど、たぶん揶揄われてると返しといた。
揶揄われる程の何かがあったと気付いたのか、後で詳しく聞かせなさいと言われた。
そういうとこは年相応の女の子だね。
この気持ちをずっと私の中に閉じ込めておこうと思ってたけど、少しくらい誰かに話してもいいよね?1人で抱えるには重すぎるよ…。