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短編集【呪術廻戦】

第3章 お願い先生っ! 五条×生徒



放課後、学校が終わって私はまた五条先生に会いにいっていた。

夕方にこうやって会いに行くのはこの前と一緒だ。


夕陽に照らされた廊下を歩いていたが、ふと立ち止まった。


「前と同じ会議室…かな。」


先生の部屋じゃなくて、こっちかもしれないと思って私は引き返した。



小さな会議室をノックしてみると、案の定、先生はそこにいた。

「よくここってわかったね。」
「なんとなくです。」


会議室に入ると、先生は一人掛け用の黒い大きな革ソファにどんっと座ってくつろいでいた。

ソファに浅く座ってるせいで、長い脚がより強調されていた。


私はなんとなく、五条先生の近くの小さな椅子に座った。


この前のことが思い出されて、緊張する。



「の実家にはちょっと僕だけが行ってくるよ。」
「…?」

なぜだろうか。
私は呼び出されたことすら知らない。


ーー…私との結婚で何か不都合なことが起きたのだろうか。もしかして、二人の結婚が白紙になるとか。


「には、申し訳ないけど、しばらく色々我慢してもらうことになるかもしれない。」
「どういうことですか?」

「うーーん…ま、とりあえず君の両親と話してくるから。」


やっぱり、結婚のことだ。


五条先生は少しだるそうにしながら、それ以上話そうとはしなかったけれど、私は不安で仕方なかった。

「だーいじょうぶ。」

五条先生はソファから少しだけ私の方に身体を寄越し、私の眉間に指を置いた。

私は不安が顔に出ていたらしく、眉間に皺が寄っていたのだろう。



「私は……。」


五条先生とこのまま結婚したいです。
婚約の話をなかったことにしたくない。


本当は口に出して先生に伝えたいけれど、家のことには私は何も言えない。

御三家の彼と、その下にいる私達家のような両親が話し合うのだから、娘の私の希望など通りはしないのだ。


決められたことに従うだけ。


「また決まったら…教えてください。」


私は声が震えないよう、五条先生に伝えた。

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