第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
結局、私は実家に行くこともなく、先生だけが行ってしまったので、私は暇になってしまった。
今からみんなが練習している近くのボーリング場に行ってもいいのだけれど、先生のことが気になって私は行く気になれなかった。
私は先生が座っていた高級そうな椅子に座り、机に顔を伏せていた。
「先生と…結婚の話なくなったら……やだな。」
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「おっはよ、。うわ、どうしたんだよ。」
「真希ちゃん、おはよー。」
「昨日、夕食にもきてねぇから、実家で食べて寝たのかと思ってたけど、寝てないのか?顔色わりぃぞ。」
「んー、眠れなくって。それに、実家には行ってないの。結局行かなくてよくなって…」
目をこすりながら真希ちゃんにいうと、心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「実家で…何かあったのか?」
実家が禪院家の真希ちゃんは、いつもの実家のことにまで気にかけてくれていた。
「ううん!それはないよ!ただ、本読んでたら夢中になって寝てないの。」
「なんだよそれ。今日、バカ教師休みらしいし、寝れる時寝とけ。」
「うん。…え?先生いないの?」
「さっき任務に行くパンダが言ってたぞ。御三家の集まりだって。」
私は歩いていた廊下で立ち止まってしまった。
「……。」
「?」
御三家の集まり…
私の両親と話をした後で…?
もしかして、私との婚約を解消して、もっとふさわしい婚約者を…とか、そう言った話なのだろうか。
だって、五条家の後継のためのだもの。すごく重要なことーー…。
「なんか、パンダから聞いた話だけど、ごじょせん結婚するらしいぞ。」
「……あっ……そ、うなんだ。」
やっぱりそうなんだ。
昨日五条先生が『我慢して』って言ってたのは、このことなんだ。
だから、私を後の正妻として公表することもなく、ずっと秘密にしてたんだ。