第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
「はいっ!ちゅーもーく!!」
そんな掛け声で始まったある日。
もちろん声の主は五条先生だ。
「朝っぱらから元気すぎだろ。」
だるそうに椅子に座ってあくびをしてる真希ちゃんは五条先生に呆れていた。
「昨日の夜から寝てないからねっ!テンションはMAXさ!」
「いちいち言葉のチョイスが古いよな、悟って。」
パンダちゃんの言葉に私は“確かに”と心で頷いた。そして、先生が寝ないまま授業してることに私は驚いていた。
心配ではあるけれど、私はそれを口にしなかった。
「いくら」
「何するかって?一年生、持ち込み企画!学年対抗ボーリング大会っ!!ぱふぱふぅー!」
口でぱふぱふ盛り上がる五条先生と誰も反応しない二年生たちに、私はとりあえず拍手だけしておいた。
「ボーリングぅ?それ呪術になんの役に立つんだよ。」
真希ちゃんが言うと五条先生はちっちっと首を振った。
「ただの親睦会さ。憂太が海外から帰ってきて一年とはそんなに交流なかったでしょ?」
「僕?確かにそんなに話をしたことないかも。」
「任務が同じになることもあるかもしれない。チームワークは大切だからね。」
五条先生に言われ、みんなは納得したようだった。
「ボーリング…初めて。」
私がポツリとつぶやくと、真希ちゃんはにやりと笑った。
「、下手そう。」
「えっ!?」
「しゃけっ」
棘くんまで笑うから、私は首を振った。
「そんなことないよ。ボール真っ直ぐ転がすだけでしょ?」
「は、筋力強化できるから、人間の筋肉をどう動かすべきかってのは無意識にわかってるかもな。」
パンダちゃんに言われ、私は大きく頷いた。
「そうそう。得意得意。」
「いや、は絶対下手。」
「もー。」
くくっと笑う真希ちゃんの肩を私も怒りながら押した。