第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
腕が折れてしまった真希ちゃんは、任務が終わり高専に戻るとすぐに医務室へと向かった。
家入先生がいるならきっとすぐに治してくれるだろう。
「お疲れ様、憂太くん。」
「うん、さんも。真希さん…大丈夫かな。」
「骨折はすぐ治るだろうけれど…むしろ私の術式の反動の方が心配。」
私たちは高専の廊下をのんびり歩きながら話しをしていた。
「強化したの?」
「うん。体力と筋力をすこしだけ。明日は身体痛いかも…。」
真希ちゃんの心配をしつつ歩いていると、前からパンダちゃんと棘くんが私達に気付いて手を振ってくれた。
「おー、なんか面倒な任務だったらしいな。」
「しゃけ。」
「数が多くて大変だったよ。」
二人の登場に嬉しそうに憂太くんは駆け寄っていった。
「憂太くん凄かったんだよー!」
私を抱き上げて飛び回ったり、一人で強い呪霊をばっさばっさとやっつける憂太くんの勇姿を言って聞かせた。
「さんっ!恥ずかしいよ!」
「え?なんでー?凄いんだから!かっこよかったよ!」
「さん…。」
顔を赤らめ照れる憂太くんを見て私はにこにこ微笑んだ。
「二人仲良いのな。」
パンダちゃんに言われ私は頷いた。
「そうだね!最近よく稽古や任務で一緒のこと多いかもね!憂太くん強いから一緒だと安心しちゃう!」
そう言うと、憂太くんはまた顔を赤らめた。
「なんだよ、憂太ぁ、喜んでんじゃねぇよー。」
「パンタ君も、もうやめてよっ!」
「すじこすじこっ」
「そんなんじゃないって!」
男の子三人が笑い合いながら小突きあってのを、私は微笑ましく見ていた。
「あ、報告書。憂太くん、私まとめて出しとくね!」
私が思い出したように言うと、憂太くんは慌てて私に駆け寄った。
「いいの?」
「うん。五条先生にも会わなきゃだから。まとめとく。」
バイバイっと手を振りながら、そこから離れるとまた三人は楽しそうにじゃれあい始めたのだった。