第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
ガタガタと揺れる車に揺れること20分ほどで現場に着いた私たちは、車から降りてそれぞれ体を伸ばしていた。
「すみません。体痛みますよね。」
「伊地知さんのせいじゃないですから、気にしないでください。」
憂太くんは相変わらず優しくそう言った。
「この先…すごいです。」
呪力探知に長けてる私は、山奥のほうの呪霊たちの気配を感じていた。
「あっち?」
私は憂太くんと真希ちゃんを案内した。
先生は、私たちの引率をするだけだから、後ろからただ静かについてきていた。
「……低級も含めると1000以上はいるかもしれないです。」
森の奥を見つめ、私は2人に伝えた。
「弱いやつは群れる。雑魚は任せろ。憂太はなるべく上級を狙え。」
「わかった。」
真希ちゃんは長い呪具を構え、憂太くんは刀を鞘から抜いた。
「私は自分の身は自分で守るようにする。二人の様子を見て、強化したいからあんまり離れないでくれると助かる。」
私の筋力体力強化は何度も重ねてつけることは出来ないし、かけられた本人に反動があるから何回もすることはない。
強敵を相手にする時、撤退するとき、ここぞと言う時に使いたい。
私達は、呪詛師たちが集めた呪霊たちの群れに向かって歩き出した。
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長期戦だった。
私は代々受け継いでいる大きな鎌を振り回して、襲ってきた呪霊を薙ぎ祓っていた。
呪力の大きな巨大な呪霊は基本的に憂太くんが、群れをなして逃げ回る呪霊を真希ちゃんがどんどん祓っていく。
私はなるべく離れないよう後ろのほうで二人の様子を見ていた。
「真希ちゃん…。」
大きな呪具を振り回し、大量の呪霊を祓っていく真希ちゃんは段々と肩で息をし始めていた。