第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
一年経って2年生になっても、五条先生は“先生”だった。
正式に許婚に決まっても集まりなどもなく、かと言ってデートだとかそういったものももちろんない。
学校や任務以外で会うことはなく、会話も先生と生徒であった。
しかしの気持ちはどんどん膨らみ続けていた。
「そういやさ、も家だろ?」
「え?うん。」
真希に言われは素直に頷いた。
「大きな家じゃん、年齢的に嫁ぎ先とか言われんじゃねぇの?」
「うーん、そうだね。真希ちゃんは?」
「私はもう家出てるからさ。でる前も妹には来てたけど、私には来ないな。」
「そっかー。私は親に任せてるし、そんなに嫌ってわけでもないから…。」
にへらっと誤魔化すようには言った。
自分の担任の先生と結婚予定です。とは言えず、だからと言って友人に嘘もつけないの最大の誤魔化し方だった。
「結婚だぞ?いいのか?」
「そうだね。でも、強い人を補助するのが私の術式だから…。」
「結婚ってそれだけじゃねぇだろ。」
「?」
が首を傾げると、真希は呆れたようにため息をついた。
「子供作らなきゃならねぇだろ。」
「わっ!わわっ!」
は真希の口を塞ぎ、真っ赤になって周りを見た。
誰かに聞かれたりしたら…
しかし真希の言う通りだった。
そのために術師の家系は術師の家に嫁ぐのだ。
そんなことはわかってはいてもはいざ目の前に五条がいると、そんなことを想像すら出来なかった。
(大人すぎて五条先生をそんな風に見れないよっ!)
どんどん赤くなるの頭を真希はぽんと叩いた。
「無理すんなよ。結婚いやなら私みたいで家出ちゃえばいいんだから。」
「うん、でも大丈夫。本当に嫌ってわけじゃないの。ありがとう真希ちゃん。」