第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
は13歳の時から五条悟に恋をしている。
会話をしたこともないし、会っても母や父と話すだけで私は横で正座をして彼を見るだけだった。
目があったこともない。
「あんまり許婚とか作りたくないんだよねー。」
「まぁそのようなことを仰いますな。悟様。」
「んー、血筋とかどうでも良くない?一般家庭からだって強い術師は出てくるんだし。」
五条との両親が話しているのをは横で聞いていた。
自分が嫁ぐかもしれないと言うのには、何も言わずに座っていた。
「しかし、無下限の術式は一般家庭からはもちろん生まれませんし、うちの補助術式も役に立ちましょう。」
「そうだね。」
五条は足を崩しだるそうにしながらも、をちらりとみた。
まだ幼い。
五条はため息をついた。
まだ25歳の自分にこんな子供をあてがってどうしたいんだ。と、内心思っていたが、次々来る縁談と顔合わせにもうんざりとしていた。
「考えとくよ。」
「感謝いたします。悟様。は体術、術式はうちの家の中でもピカイチでございます。ぜひ正室にーー…」
両親が笑顔で畳に手をつき頭を下げ、もそれに合わせて指先を畳に手を付いた。
は内心どきどきしていた。
拒否はされなかったが、好感触でもない。
本当は五条悟のお嫁さんになりたいが、から主張することなんでできる雰囲気でもなかった。
そして月日が流れ、15の時正式に五条悟の正室として決まったときは家を上げて祝福された。
会話もしたことないし、目があったこともない(と言っても目隠しをしているためどこを向いているのかにはわからないのだが)人に嫁ぐことが決まったのだ。
嫁ぐことに一つだけ条件がつけられた。
【輿入れは高専を卒業したのち】
母は花嫁修行が出来ないと不服そうではあったが、呪術や体術を学びたいにとってはいい条件だと思った。
入学した時に、生徒としてしか扱われないことも私としては好都合だった。
同級生には私がのちに五条先生と結婚するとこは黙ってるし、そっちの方が過ごしやすかった。