第3章 お願い先生っ! 五条×生徒
家は呪術の家系であった。
戦闘には向かない術式であったが、身体の異常を見つけたり、他人の筋力強化をすることができた。
そのため女児なら戦闘を中心とする御三家に嫁いだり、男児なら子孫を残すため側室を持つ方も多かった。
女に生まれたも、御三家の誰かに嫁ぐことになるだろうと小さい頃から言われていた。
の兄も側室が三人いた。
四人の妻のうち二人はすでに子供がいて、家は安泰と言われ、も近いうちにこの家から出て行くことになる。
「いい?。五条家が1番、“箔がつく”わ。」
十(とう)にもならないに母がよく言っていた。
禪院家は血筋にうるさいから家でも良しとされるが、今は“五条悟”がいる。
彼が1番いい。六眼持ちの彼に嫁ぐことは誉れである。
耳にタコができるほど言っていた。
「でも、年が結構違うよ?」
12歳になった時にが言うと、母は笑みを浮かべた。
「子が成せばいい。女の子は若い方がいいのよ?」
その時の母の顔といったら、下品で気持ち悪い。と、は思った
一回り離れた男と結婚すると言われた幼いは、思春期になると嫌悪感を抱いていた。
幼い頃はそれを受け入れていても、13くらいになると、それが異常だと気付いていた。
しかし彼に初めて会った瞬間からそんなことはどうでも良かった。
「ーー…かっこいい。」
京都の御三家の会議で、広い畳の部屋で五条悟を遠くから見た瞬間から、私は彼に釘付けになった。