第2章 上司がウザいです 五条×補助監督 (R18)
「あーーー!!おわった!おわった!!」
教会の外に出て、五条は全身を伸ばした。
「お疲れ様でした。…まだ聞こえるのでもう少し小さな声で。」
は教会の駐車時で待っていたのを、門のところまで出迎えた。
出てきたばかりで、まだ関係者に聞かれるのではと、はそわそわした。
「ん、これ。呪物の聖杯ね。」
「はい。」
真っ白な箱を手渡されは袋に入れ、小さくすると自分のバックに仕舞い込んだ。
「…大丈夫でしたか?」
「めっちゃ触られた。筋肉痛触らせろとか、目をみせろとか。じゃないと協力しないって言われてさ。」
「……!」
はうつむいた。
の命令ではないにしても、嫌がる五条を引っ張ってきたのは自分だと、自分を責めた。
「あ、あの……」
「なんて。嘘だよ。」
「…っ!」
ぺろっと舌を出す五条はの顔を見て笑って車に乗り込んだ。
は握りこぶしで殴りたいのを我慢して、運転席に座った。
「何もなくてよかったです。」
「怒った?」
「怒ってません。」
「一緒に写真撮っただけ。普通の人だったよ。」
「そうですか。じゃあ、ホテル向かいますね。」
「ねぇ、怒った?」
「怒ってません。」
「安心した?」
「…そうですね。高専の大切な術師を変に扱われては困りますから。」
そう言ってはサイドギアを動かし、車を発進させた。
五条に何もなくてよかったと思ったのは本当だ。
はひと仕事終えたことに安堵しつつ、目的のホテルに向かった。
「五条さんはホテルの部屋で食事ができるよう手配しています。」
「は?」
「私は待ち時間に軽く済ませましたから。」
「かー、真面目!そういうときは、一緒に行くの。街に出たりしてさ。」
「……。」
レンタカーの助手席で五条は脱力していた。
「次からそうしてね。」
「……………わかりました。」
「声ちっさ。絶対不服に思ってるじゃん。」
五条は笑いながら運転してるの頬を軽く摘んだ。