第2章 上司がウザいです 五条×補助監督 (R18)
「お疲れ様です。授業はもう終わったんですか?」
そんなはずはない。だってまだ午前中だ。
皮肉を込めてが言うと、五条は肩をすくめた。
「一年たちは二年に訓練を任せたよ。あいつらならやってくれる。」
(それは押し付けたと言うのでは?)
は資料に視線を戻した。
「さっき伊地知に聞いたよ。が担当してくれるんだって?」
「はい。全力でサポートします。午後からになりますので、休める時休んでください。」
は淡々とそう言った。
「と泊まりの任務なんて、ったら積極的。」
「…泊まり?」
「そりゃそうでしょ。長崎だよ?」
「頑張れば夜帰れます。」
「…頑張らなきゃいけないの?昨日も寝れてないのに。」
「…っ!」
五条はうるうるとした目でを見た。
目隠ししててもわかる。
おねだりするようなそんな顔だ。
「全力サポートかー。そっかー。」
「ホテル。予約します。」
「いえーい。」
ダブルピースで喜ぶ五条を横に、はスマホを取り出し、ホテルを検索し始めた。
「おんなじ部屋でもいいよ?」
「別々です。」
「一緒に寝た仲じゃん。」
「覚えてません。離れてください。」
肩をピタッとひっつけて、のスマホを覗き込む五条。
「酔ってゴロゴロ猫ちゃんみたいに甘える、可愛かったのになー。」
「覚えてません。」
は気にせず、スマホでホテルを予約していった。
もちろん部屋は別々だ。
「…昨日は……その、ご迷惑をおかけしました。覚えてないとはいえ、失礼なことを…」
「甘えてくるの可愛いかったからいいよ。」
五条の言葉にはうつむいた。
「あ、甘え…たんですか?本当に…」
「……。」
顔を真っ赤にし、瞬きを何度もするを見て、五条は少し驚いた。
「え、可愛んだけど。照れてるの?」
普段のツンツンした態度とは裏腹に耳まで真っ赤の。
「照れてません。仕事するので、もう離れてください。」
「説得力なさすぎでしょ。期待しちゃうじゃん。」
資料室の棚に手をついてきた五条に、は背を向けた。