第2章 上司がウザいです 補助監督×五条 (R18)
「あー、美味しかった。じゃ、行こうか。」
「はい。」
任務の確認や連絡をしていたはタブレットをしまうと、立ち上がった。
「ねぇ。」
「はい。」
五条のために後部座席を開けていたは、急に話しかけられて、顔を上げた。
「次のデートどこ行く?」
「は?」
次の…?
一度も行った覚えのないは、変な声を出してしまった。
「もうこれデートみたいじゃん。次の任務帰りまたどっか行こうよ。」
「私は何も食べてません。」
「あっはは、そうだっけ。」
まぁいいじゃん。と、五条はあっけらかんと言い、後部座席に座ってスマホをいじりだしたので、は無言で車のドアを閉めた。
「でもさー、彼氏いないんでしょ?」
しばらく車を走らせていると、脈略もなく五条がに話しかけた。
「プライベートなことなので。」
「ねぇ、彼氏いないなら付き合ってよ。」
「結構です。」
淡々と断るに五条はくすくす笑った。
「結構本気なんだけどな。」
「もうすぐ着きます。」
は特に気にする様子もなく、車を高専につけ停めた。
素早く降りて、後部座席を開けると、五条はの手首を引っ張った。
「…っ!」
「ここ1か月、ずーっとアピールしまくっても全然こっち見てくれないじゃん。」
は五条に手首をつかまれ、後部座席に片膝をつき、五条の胸に飛び込まないよう必死に阻止していた。
「仕事中…ですっ。」
は掴んでいる五条の手を引き剥がそうともがいた。
「少しくらいいいじゃん。」
「嫌です。私は次の任務入ってるので、離してください。学長待ってますよ。」
は心底不機嫌な顔で、車から離れた。
「ツンデレ好きなんだよなー。落とすから。」
「デレません。落ちません。」
ぷいっとするに五条はクルマから降りると、にまにま笑いながらの背後に立った。
「いーや、落とす。僕しつこいよー。じゃあね。」
の耳元でそういうと、五条は手を振り高専の中へと入っていった。