第2章 上司がウザいです 補助監督×五条 (R18)
「ねぇ、任務頑張ったよ。」
「はい、お疲れさまです。すぐ車用意します。」
は淡々と帳を消し、後部座席を開けた。
「そっけなーい。ご褒美ないの?」
「後ろの箱に飴用意してます。」
五条対策なのか、甘いものは常備していた。
は五条が車に乗り込むのを確認すると、後部座席のドアを閉めた。
五条からは見えないように小さくため息をついた。
「この後は、学長と会議が入ってますので、まっすぐ向かいますね。」
「お腹すいたー。飴じゃ満たされなーい。」
間延びした話し方には少し苛立ちを覚えつつ、エンジンをかけた。
「まだ少し余裕がありますので、どこかよりますか。何が食べたいですか?」
「んー。」
スマホ片手に特に返事をしない五条。
はバックミラーで彼に視線を向けた。
「は甘いのいける?」
「…正直そんなに。」
「じゃあ、ここ向かって。」
スマホで見させられたお店は最近できた可愛いお店。
ハワイアンをテイストにパンケーキが有名らしい。
(甘いの苦手って言ったよね。)
「わかりました。」
車の中で鼻歌を歌う五条と、真顔で車を走らせる。
お店に着くと女性客で賑わい、みんなスマホ片手に自分のパンケーキを写真撮ったりしていた。
「ちゃんこれ頼んでよ。」
「…?」
席に座って見させられたのはレディースデイのメニュー。
ホイップとイチゴソースに果物もたくさん乗ってるパンケーキだ。
は見ただけで胃もたれしそうになった。
「僕はキャラメルソース食べたいからこっち頼むからさ。」
「あの…私食べられませんよ?」
「うん。両方僕食べるからちゃんは座って待ってて。甘いのいらないんでしょ?」
店員にどんどん頼む五条をは見つめた。
(甘いの苦手とは言ったけれど普通にお腹は空いてるんだけど。)
はため息つくのを我慢して、目の前の上司が甘々のパンケーキを頬張るのをただただ見ていた。