第1章 私の恋 夏油傑 (出会い編)
私たち3人は指定された7時に食堂に来ていた。
「嬉しいね、先輩に歓迎してもらえてるみたいで。」
私が2人にそう言うと、頷いたのゆうのほうだった。
「うんうん。お菓子とか念の為もってきたけど、足りるかな…。」
さっき慌てて3人でコンビニで買ってきたお菓子と飲み物。
手ぶらってわけにもいかないかなって思って、持参したのだ。
「本当に歓迎されてるのか、少し疑問だけどな。」
ぼそっとななみんは呟いた。
黒板消しを落とされたのもななみんだったし、組み手やらでも白髪頭に結構いじられてるのもななみんだ。
「あの白髪は誰にでもそうだよ。夏油先輩とか優しいよ?」
「そうか?一緒になってはしゃいでるように見えるけど。まぁ、面倒見は良さそうではある。」
ななみんが言うと、うんうんと、灰原が頷いた。
「これから任務も同じになるだろうしさ、仲良くしとこうよ。」
「おまたせー。男子寮行くからついてきてー。」
硝子先輩が廊下から入ってきたので、私たちはついていった。
男子寮に入るのは初めてだ。
硝子先輩はよく行くのか、気にせず進んでいく。
と言っても、女子寮が2階。男子寮が1階なんだけど。
「先輩、ありがとうございます。」
「いいのいいの。全部あいつの金だし。」
「あいつ…?」
私が首を傾げ、聞こうとしたが、硝子先輩はノックもせずドアを開け放った。
「連れてきたよー。」
「うぃー。」
硝子先輩に返事をしたのは、白髪頭ですでに缶ジュースを飲んでいた。
部屋の真ん中に大きなローテーブルがあり、夏油先輩と白髪頭が座っていて、テーブルの上には食べ物が広がっていた。
白いノートをちぎったのか、一枚の紙には『新入生歓迎会!』と殴り書きされ、テーブルの上の端に適当に置かれていた。
絶対ついさっき書いたやつだ。