第5章 ウザい上司 五条×補助監督(R18)
は強く目を閉じた。
結局五条に全てを委ねていることに少し罪悪感を抱きながらも、はただ五条が与えてくれるキスを受け入れることしかできなかった。
「……ん…」
しかし、五条の誕生日だ。自分からも何かしたいと、はそっと手を五条の耳のあたりに伸ばした。
両手で優しく彼の耳と首筋を撫でた。
五条が少しピクリと動いたことに、は気づいた。
「嬉しいけど、無理しなくていいよ。」
ガラじゃないなんて五条にもにもわかってる。
それでもは五条の両頬に手を添え、撫で引き寄せた。
「無理…したいんです。」
高揚した顔。
潤んだ瞳。
五条を興奮させるには十分だった。
しかし今目の前にいるのは、自分を喜ばせたいと手を伸ばす。
普段は絶対にない状況。
五条は思いっきり抱き寄せ、の唇に貪りつきたいのを我慢した。
は五条の目隠しのフチに指を這わせ、髪を撫でた。
「五条さんが……」
好きです。
と、続けたいのに、にはどうしても勇気かなくて、口をもごもごさせるどけで、声として発することができなかった。
この溢れる思いを誕生日である彼に伝えたいは、ぎゅっと強く抱きついた。
「…拷問じゃん。」
の性格を理解してる五条には、の行動が手に取るようにわかっていた。
「拷問ですか?」
「いやいや、嫌ってわけじゃないよ。すぐ抱きたいだけ。でも、のやりたりたいことも見たいしね。」
の葛藤する姿を見たい気もするが、自分の膝の上で、好きって言葉を言いたくて言えないを抱き潰したい五条にとっては、悩ましいことだった。