第5章 ウザい上司 五条×補助監督(R18)
は頭でぐるぐると考え込んでいた。
考え過ぎるくらいに考えていた。
(目は開けるべきだろうか)
(五条さんは目隠しはしているがきっと見えている)
(首の角度はどのくらいか)
(鼻で息をするべきか)
「。眉間の皺がすごいことになってるって。リラーックス。」
「はぁ、はぁ。」
ごくりと唾を飲み、止めていた呼吸を忘れていたように再び息をし始めた。
「ねぇ。キスしたことあるじゃん。えっちだって。」
「し!静かにしてくださいっ!」
「はいはい。ごめん。」
五条はまた黙り、顎をあげからのキスを待った。
(これは誕生日プレゼントなんだ。)
(五条さんのために)
(喜んでもらいたい)
は、ゆっくりと近づいた。
五条もそれに気づいて顔をこちらに向け、の表情、仕草を噛み締めるように見つめた。
「……。」
鼻が当たらないように少し角度をつけ、はそっと優しく触れる程度に唇を合わせた。
は五条の柔らかい唇からそっと離れ、目隠しの向こうにあるであろう彼の目を見た。
「……もう少し、していい?」
見つめ合い、五条はの頬に触れそう言った。
が小さく頷くと五条はの腰に手を伸ばし引き寄せると自分の膝に座らせた。
膝の上で向き合うように座るのも、はいまだに慣れなかった。
「可愛いすぎてどうにかなっちゃいそう。」
「…可愛くなんて。」
自分が素直じゃ無いことくらい自分が1番よくわかっている。
は、ぷいっと横を向いた。
もっと甘えてキスとかしたいなんて、から言うことなんて出来ないし、ましてや自分からキスなんてできっこない。
出来てもこうやって触れるだけのキス。
「可愛いよ。今の表情も、キスする時の顔も、可愛い。全部可愛い。」
素直にありがとうって言えたらどれだけいいかと、はただ顔を赤くするしか出来なかった。
五条は照れて何も言わないの腰を撫でながら、更に引き寄せの下唇をペロリと舐めた。
「もう少し、プレゼントちょうだいね。」