第5章 ウザい上司 五条×補助監督(R18)
「でも、ここに来てくれた。今までのなら絶対しないでしょ。」
僕のために変わってくれた証拠じゃんと、五条は最後の一口をペロリと食べ切った。
は何も言えなかった。
確かに変わったのかもしれない。
明日は朝から仕事だからと、こんな夜に人を訪ねることなんてしなかっただろう。
(五条さんだから…)
(いつも会いに来てくれるのは五条さん。そんな貴方だから…私からも会いたいって思えるようになったんだ。)
思ってはいても、そんなこと口に出せないは、黙って五条の口元についたチョコをポケットにあったハンカチで拭った。
「五条さん…プレゼントーー…」
「え、何。ケーキ以外にもあんの?」
用意できなかったは正直に言えばいいものの、わくわくと喜んでいる五条にそれは言えず、どうしようかと悩んだ。
(喜んでくれるもの…)
は先ほどの虎杖の言葉を思い出した。
「ここ。座って下さい。目も閉じて。プレゼント渡すので。」
五条をベッドに座らせ、はどうしようかと考えながら、ぽつりぽつりと言った。
「目隠し外す?」
「いえ。でも閉じてくださいね。信用してますから。」
「はーい。」
ここまで言えば五条は目隠しをしたままでも素直に目を閉じるだろう。
プレゼント…は、ごくっと唾を飲み込んだ。
ベッドに座る五条は座っていても目線は高く、よりも少し顔は下にあるだけだ。
(甘える)
どうやって?
はぐるぐるぐるぐるパニックになりそうになりながらも、静かに五条に近づいた。
むにっと、ただ触れるだけのキス。
いつもと違うのは、初めてからしたと言うこと。